すごい暇な日が何日かつづいたときがあったんです。いつものように、ぼーっと過ごしたわけですが、すごくもったいないと感じました。
そして思いついたんです。すごく暇な時にやることを前もって探しておこうって。なにがいいかなーといろいろ調べていると、こんな話がありました。
「子供の頃、熱中したことは自分が本当に好きなこと。おとなになってから再開するとまたハマって趣味になるよ。」
なんだと!それは良いこと聞いたと。んで買ってみたんですよ。プラモデル。
プラモデルはバイクね。理由はべつ無いけど、昔好きだったし場所とらないからいいよねーなんて思い購入。
さて、プラモデルを作るぞ
すごく暇な日1日目
やがて日はたち、来た!暇な日の到来。こういう時はこれっ、とプラモデルの箱をあける。
なんてことでしょう…
色が全然ついてません。
どう考えてもこのまま作ってはカッコよくない。塗料が必要です。でも、塗料まで買うと、出来心で始めたプラモデルがやや本格的になってしまう。どこまで投資するのか、ひくにひけない装備になるではないかと不安に。
私は塗料が欲しい。だけどひくにひけなくなる。誰か私の勇み足を止めてくれと家族に相談。
「プラモデルに色塗ったら家が臭くなるから、塗らん方がいいよね?」
家族は言う
「べつにいいけど」
足止めず、背中おすやん。
おーい、誰か止めてくれ。ひくにひけねーよ。と塗料を買いに行きました。行ったんかい!
すごく暇な日1日目は塗料を買って過ごしました。こうして暇な日を1日クリアしました。
すごく暇な日2日目
そしてまた来た!奴だ、すごく暇な日だ。
今日こそプラモデルを作るぞ。とパーツを切る。
そして、色を塗ろうとした時、気づいた。パーツを持ってる指の部分、ぬれなくない?指がじゃまでぬれないやんけ。
そして悩む。指の部分は後から塗るんか?いや待てよ、それ以前に塗ったやつどうやって置いて乾かすん?もうパニック。
思い出す、子供の頃。私はプラモデルに色など塗ってなかった。おとなになるって表面に色を塗ることなんか?時と場面に応じて顔色を変え、本当の自分を見失なうことはあったが、お前はプラモデルにまで色を塗ろうというのか。はい、私は塗ります。だって塗料買ったもん。
などの自問自答を繰り返し、宙に浮かないと塗れませんやんか、こんなん。という結論にたどり着く。自分に答えが見つからない。クグレカスである。
そして、見つけた。棒と台。
![]() |
この棒にパーツをつけて塗ればいいんだってさ。そしてまた投資する。棒の到着まで待とう。
すごく暇な日2日目。まだパーツを一個しか切っていない。
すごく暇な日3日目
奴が音を立ててやってくる。そう、すごく暇な日だ。塗料も棒もある。いよいよプラモデルを作るぞ。
長年の使用にくたびれて何となくかすれる視力と冷静さを駆使して、少しずつ作っていく。
今日はタイヤの部品に色を塗って終了。疲れました。全然進まんやん。完成が目的ではない、暇つぶしが目的だからさと言い残す。
すごく暇な日4日目
プラモデルを作りはや2ヶ月。4回目のすごく暇な日がお待たせって笑顔でやってきた。こちらとしては、別に待ってないのだが、せっかく来たのだから相手をしてやった。
この日は色を塗ったパーツを組み付けた。少し形になっていくので不覚にも「おもろいやないか」と感じてしまい、頑張って作った。
そもそも、「すごく暇な日」に「がんばる」という矛盾が嫌なんだけど。基本的に頑張ると暇を天秤にかけたとき、選びたいのは暇なのに。頑張った。
これは「形になってく」という目に見える成果が私にモチベーションを与えたからなんだろうと客観的に分析。
そもそも、モチベーションとは成果が上がった時に湧き出るもので、成果が出ないことが連発するとモチベーションは上がらない。
そんな時は無心でコツコツと取り組む。これが勉強でも仕事でも鉄則である。
これまでのすごく暇な日を振り返る。塗料を買うだけ。棒を買うだけ。少しのパーツに色塗るだけ。3日間コツコツと過ごしてきた。
そしてここに来て、パーツを組み成果が上がった。モチベーション上がるぜ。
といっても、ここまでしか作ってない。
これ以降、プラモデルを見る日はいまだに来ない。次に触るのは、きっと季節が変わった頃になるだろう。
暇な日をぼーっと過ごすのがもったいないのか、プラモデルを買ったことがもったいないのか…。いずれにしろ平和な悩み、これからが楽しみである。
![]() |